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しゃべらない。家事もしない。仕事も手伝わない。
それなのに、発表されてすぐにクラウドファンディングで目標の2倍以上のお金が集まったロボットがあります。
2026年10月16日に先行販売が始まった、机の上の小さな相棒ロボット「INU(イヌ)」です。
このブログではこれまで、「工場で働くロボット」や「家事をするロボット」を中心に調べてきました。でも、このニュースを見て、ふと思いました。家にやってくるロボットって、「役に立つ」より先に「一緒にいる」から始まるのでは?
今回は、同じ週に発表されたもうひとつの「家族向けロボット」と合わせて調べてみました。
「一緒にいるロボット」、ざっくり言うと
- INUは、なでると目や音や動きで反応する、机の上の小さなロボット。言葉は話さず、仕事もしない
- INUにはカメラがついていない。人が近くにいることは、電波(ミリ波レーダー)で感じとる
- 一般販売の予定価格は税込3万9,800円。届くのは2027年2月ごろから
- 中国の自動車メーカー、チェリーのグループは、家族と暮らすヒューマノイド「Mobo(モボ)」の予約を10月21日から世界で始める
- 家事ロボットはまだ先。でも「一緒にいるロボット」はもう家に来始めている
- 家に来るロボットほど、プライバシーが大事になる
机の上の小さな相棒「INU」

INUを作ったのは、東京のスタートアップLudens AI(ルーデンスAI)です。
どんなロボットなのか、まとめてみました。
| 項目 | INU |
|---|---|
| 大きさ | 幅7×奥行7×高さ20cm。手のひらサイズ |
| 重さ | 約500g |
| 動き | うなずく、首をふる、しっぽをふる |
| 気持ちの表し方 | 目の表情、音、しぐさ。言葉は話さない |
| 感じるしくみ | さわったことを感じるセンサー、ミリ波レーダー、マイク。カメラはなし |
| 電池 | ふだんは約2〜3時間(最大約4時間) |
| 価格 | 一般販売予定は税込3万9,800円。クラウドファンディングでは最大25%引き |
なでると、目の表情や音、しぐさで反応します。長い時間作業をしていると、休憩をうながしてくれるそうです。
さらに、使っているうちに持ち主のくせや生活のリズムを覚えて、表情や動きが少しずつ変わっていくとのこと。
初めの段階のデザインは、しっぽのついたクッション型ロボット「Qoobo(クーボ)」で知られるユカイ工学と一緒に考えたそうです。
「何ができるか」ではなく「どんな存在か」
おもしろいと思ったのが、作った会社の考え方です。
会社は、INUについて「あなたの仕事を代わりにやるロボットではない」と言っています。発表の場では、代表の山本真里江さんが、「何ができるAIか」ではなく「どんな存在でいられるか」という考え方で作ったと説明したそうです。
このブログでは、ロボットを「何ができるか」で比べることが多かったので、新鮮でした。
家族と暮らすヒューマノイド「Mobo」
同じ週には、もうひとつ「家族向けロボット」のニュースがありました。
中国の自動車メーカー、チェリー(奇瑞汽車)のロボット部門AiMOGA(アイモガ)が、家族と暮らすことを目指した人型ロボット「Mobo(モボ)」を、10月21日に中国で発表し、同じ日に世界で予約を始めると発表しました。
発表によると、Moboにはこんな機能があります。
- 声で会話できる
- まわりの物を見分けて、その物について話せる
- 予定を知らせてくれる
- 前に話した内容を覚えていて、続きの話ができる
家族の会話を助けたり、子どもの学習に付きそったりする場面が想定されているそうです。価格はまだ発表されていません。
INUとMoboは、見た目も大きさもまったくちがいます。でも、どちらも「家事をする」より「家族のそばにいる」ことを大事にしている点は同じです。
「一緒にいるロボット」は、実は日本が得意
調べていて思い出したのが、ソニーの犬型ロボット「AIBO(アイボ)」です。
1999年に発売されたAIBOは、言葉を話さないのに、しっぽをふったり、首をかしげたりする動きだけで、まるで本物のペットのようにかわいがられてきました。2018年には、新しい「aibo」も登場しています。
INUを作るときに関わったユカイ工学のQooboも、しっぽをふるだけのロボットです。日本には、役に立つことより「かわいい」「そばにいてうれしい」を大事にしたロボットの歴史があるんですね。
Qooboは、今もネットで買うことができます。
家事ロボットとくらべてみた

⑥の記事では、家事をしてくれるロボットが本格的に広がるのは、2030年代後半〜2040年代になりそうだと書きました。家は工場とちがって、毎日物の場所が変わるので、ロボットにとってとても難しい場所だからです。
一方で、「一緒にいるロボット」は、家事をしなくてもいい分、すでに家に来始めています。
| 家事をするロボット | 一緒にいるロボット | |
|---|---|---|
| 例 | 洗濯物をたたむヒューマノイド | INU、aibo |
| 必要なこと | 物をつかむ、運ぶ、片づける | 反応する、覚える、かわいく動く |
| 難しさ | とても高い(手・足・判断がすべて必要) | 比較的やさしい |
| 今の状況 | 予約が始まった段階 | すでに買える・届く |
ロボットが家に来る順番は、「一緒にいる」→「少し手伝う」→「家事をする」なのかもしれません。

家に来るロボットほど「プライバシー」が大事

もうひとつ、INUで気になったのがカメラがついていないことです。
③の記事で、家庭用ヒューマノイドの「人が遠隔で手伝う」しくみを紹介したとき、知らない人がカメラ越しに家の中を見ることになるかもしれないのが気になる、と書きました。
INUは、その心配に、はっきりした答えを出しています。
- カメラはつけない
- 人がいることは、映像ではなく電波(ミリ波レーダー)で感じとる
- 本体の「Magic Key」で、すべてのセンサーを止められる
- 基本的な反応は、インターネットにつながなくても動く
家の中、それも机の上という、すぐそばに置くロボットだからこその工夫だと思います。
一方、Moboのように「物を見分けて話す」ロボットは、カメラで見る必要があります。便利さとプライバシーのバランスは、これから家に来るロボットみんなの課題になりそうです。

僕が思ったこと
フィジカルAIを調べ始めたころは、「すごいことができるロボット」にばかり目が行っていました。宙返り、重い荷物、洗濯物たたみ。
でも、INUは何もしません。ただ、そばにいて反応するだけです。それなのにお金が集まっているのは、「すごい」と「そばにいてほしい」は別ものだからなんだと思います。
家にロボットが来る日を考えると、最初にやってくるのは、きっと何でもできるヒューマノイドではなく、こういう小さな相棒なのかもしれません。
まとめ
- INUは、なでると反応する机の上の小さなロボット。しゃべらない、働かないのが特徴
- 一般販売予定は税込3万9,800円。届くのは2027年2月ごろから
- カメラなし、センサーを止めるスイッチあり、ネットなしでも動くなど、プライバシーに配慮
- チェリーのグループのMoboは、家族と暮らすヒューマノイド。10月21日に予約開始予定
- 家事ロボットはまだ先。でも「一緒にいるロボット」は、もう家に来始めている
役に立つロボットと、そばにいるロボット。フィジカルAIが家に入ってくる道は、ひとつではないようです。
参考資料
- ロボスタ:ペットロボット「INU」のクラウドファンディングを開始(2026年10月16日)
- ASCII STARTUP:AIコンパニオンロボット「INU」先行販売開始(2026年10月16日)
- Kibidango:INU プロジェクトページ
- GlobeNewswire「AiMOGA to Unveil Mobo, Its First Family Companion Robot, on October 21」(2026年10月17日)
本記事は、筆者が調べた内容を初心者目線でまとめたものです。価格や発送時期は各資料の公表時点のもので、変わる場合があります。商品の購入やクラウドファンディングへの支援を勧めるものではありません。特定の企業や銘柄への投資を勧めるものではありません。


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