日本の新車のうち、電気自動車(EV)はどれくらいだと思いますか?
答えは、約3%です。2026年の1〜6月で、過去最高の数字です。
一方、世界では新車の約4台に1台がEVになりました。中国では半分以上です。
「日本は電気自動車も自動運転も遅れている」という話はよく聞きます。でも2026年は、日本でもEVの販売が前の年の2倍になり、東京では運転手のいないタクシーの計画が具体的になってきました。
日本の電気自動車と自動運転は、今どこまで来ているのか。今わかっている数字と計画で整理してみました。
日本のEVと自動運転、ざっくり言うと
- 2026年1〜6月の日本のEV販売は5万9,337台。前の年の2.1倍で、新車の約3%(過去最高)
- 世界では、2025年に新車の約4台に1台がEV。中国は約55%、ヨーロッパは28%
- 伸びた理由は、新しいEVが増えたことと、補助金が増えたこと。軽自動車のEVも増えている
- 東京では、Waymo・GO・日本交通が、2027年に運転手のいないタクシーを始める計画。日産・Wayve・Uberも、2026年後半から運転手が乗った形で試験運行を始める計画
- 地方では、運転手のいないレベル4のバスが、短いルートで走り始めている
- ふだん乗る車では、トヨタが2028年、日産が2027年度に、AIを使った新しい運転支援を出す予定
日本のEVは、新車の約3%

まずは電気自動車の数字から見てみます。
読売新聞の報道によると、2026年1〜6月に日本で売れたEVは5万9,337台でした。前の年の同じ時期の2.1倍で、乗用車全体の約3%。どちらも過去最高だそうです。
ただ、世界とくらべると、まだかなり少ないです。
| 地域 | 新車にしめるEVの割合(2025年) |
|---|---|
| 中国 | 約55% |
| ヨーロッパ | 28% |
| アメリカ | 10%弱 |
| 世界全体 | 約25%(4台に1台) |
| 日本 | 約3%(2026年1〜6月) |
※日本以外は、国際エネルギー機関(IEA)の「Global EV Outlook 2026」より。日本は読売新聞の報道より。年や数え方が少しちがうので、目安として見てください。
日本では、ガソリンと電気の両方で走るハイブリッド車(HV)がとても多く売れています。「電気で走る車」が少ないわけではなく、ハイブリッドが主役というのが日本の特徴です。
2026年、なぜEVが売れ始めた?
数字は小さいですが、前の年の2倍というのは大きな変化です。報道によると、理由は大きく2つありました。
理由1:新しいEVが増えた
| 車 | 2026年1〜6月の販売 | ひとこと |
|---|---|---|
| トヨタ bZ4X | 1万3,777台 | 改良で、1回の充電で走れる距離が最大746kmに。前の年の約70倍売れた |
| テスラ | 約1万2,000台 | 海外メーカーで1位 |
| 日産 リーフ | 1万12台 | 1月に新型が出た |
| ホンダ Super-ONE | (発表なし) | 5月下旬に出た小型EV。注文を一時止めた販売店もあった |
さらに、7月には中国のBYDが、日本向けの軽自動車のEV「ラッコ」を発売しました。価格は税込214万5,000円からです。
理由2:補助金が増えた
国のEVの補助金は、2026年1月から、最大130万円に増えました(軽自動車のEVは最大58万円のまま)。
たとえばホンダのSuper-ONEは、税込で約339万円ですが、補助金を使うと約209万円になるそうです。東京都も7月に補助金の上限を引き上げています。
それでも、EVがなかなか増えない理由
報道では、気になる点もいくつか挙げられていました。
- 新車のほうが中古より安くなる:補助金が大きいため、新車のEVが中古のEVより安くなることがある。すると「買ったあと、高く売れないのでは」と心配になる
- 部品をつくる会社への影響:EVはエンジン車より部品が少ない。急にEVに切りかえると、部品をつくる会社で働く人の仕事に影響が出る
- 車種がまだ少ない:売れているのは一部の車種に集中している。選べる車種が増えないと広がりにくい、という専門家の声もあった
EVが増えるかどうかは、補助金だけでなく、車の作り方や働く人のことともつながっているんですね。
東京で、運転手のいないタクシーが走る?

ここからは自動運転の話です。
自動運転の「レベル」については、⑤の記事でくわしく書きました。かんたんに言うと、レベル4は「決められた場所や条件の中なら、運転手がいなくても走れる」段階です。

⑤の記事を書いたときは、Waymoの東京でのサービスは「始まる時期はまだ決まっていない」状態でした。そこから、話が一気に進んでいます。
Waymo × GO × 日本交通:2027年に開始を目指す
2026年9月15日、タクシーアプリのGOは、アメリカのWaymoと組んで、2027年に東京で運転手のいないタクシーを始めることを目指すと発表しました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 開始の目標 | 2027年(国の許可が出ることが前提) |
| 台数 | 少しずつ増やして、約100台 |
| 車 | ジャガーの電気自動車「I-PACE」 |
| 予約 | GOアプリ、Waymoアプリ |
| 運行 | 日本交通が、毎日の運行や車庫を担当 |
東京では2025年から、日本交通のドライバーが乗った状態で、自動運転の試験走行が続けられてきました。
日産 × Wayve × Uber:2026年後半から試験運行
もうひとつの計画もあります。日産、イギリスのAI企業Wayve(ウェイブ)、配車アプリのUberは、2026年後半から東京で自動運転タクシーを走らせる計画です。
- 車は、日産の電気自動車「リーフ」
- Wayveの運転AIを使う
- Uberのアプリから呼べる
- 最初は、タクシー会社の日の丸交通のドライバーが乗る
日本では、お客さんを乗せて運ぶ仕事は、許可を持ったタクシー会社がやる決まりがあります。そのため、どちらの計画にも日本のタクシー会社が入っています。
ロボタクシーは、EVが多い
調べていて気づいたのが、どちらの計画も電気自動車を使っていることです。
自動運転の車は、たくさんのカメラやセンサー、コンピューターを積んで走ります。電気で動く車は、それらに電気を回しやすく、コンピューターから細かく動きを調整しやすい、と言われます。EVと自動運転は、相性がいい組み合わせなんですね。
地方では、運転手のいないバスが走り始めている

東京のタクシーより先に、地方ではレベル4のバスが走り始めています。
国内で最初のレベル4は、2023年5月に福井県永平寺町で始まった、小さな電動カートでした。その後、国の資料をもとにした報道によると、2026年6月の時点で、11か所でレベル4のバスなどが走るようになったそうです。
国の自動運転プロジェクト「RoAD to the L4」の案内ページには、たとえばこんな場所が紹介されています。
| 場所 | ルート |
|---|---|
| 福井県永平寺町 | 約2km |
| 茨城県日立市 | バス専用道の約6.1km |
| 千葉県柏市 | 約700m |
| 東京都大田区(羽田) | 施設内の約800m |
| 北海道上士幌町 | 片道約600m |
| 長野県塩尻市 | 約460m |
見てのとおり、数百メートル〜数キロの決まったルートがほとんどです。
ただ、よいことばかりではありません。最初に始まった永平寺町のサービスは、車の保証や整備の期間が終わったため、2026年4月から運行を止めていると報じられています。走らせ続けるためのお金や整備の体制も、大事な課題のようです。
国は、2027年度に100か所以上でレベル4のサービスを実現することを目標にしています。
ふだん乗る車は、どう変わる?
タクシーやバスだけでなく、僕たちがふだん乗る車も変わろうとしています。
| 会社 | 予定 | 内容 |
|---|---|---|
| ホンダ | 2021年3月(済み) | 「レジェンド」で、世界で初めてレベル3の車を発売 |
| 日産 | 2027年度 | Wayveの運転AIを使った次世代プロパイロットの車を国内で発売予定 |
| トヨタ | 2028年ごろ | 一般道でもほぼ全行程を支援する運転支援を、手ごろな価格の車からのせる予定 |
おもしろいのが、トヨタの説明です。
トヨタの新しい運転支援は、カメラなどで見た情報から、判断、ハンドルやブレーキの操作までを1つのAIでまとめて行うしくみだそうです。人が運転したたくさんのデータで学ばせます。
ただし、AIが思わぬ動きをしないように、交通ルールにもとづく「ガードレール」を組み合わせて、危ないときはシステムが止めに入ります。
「AIにまかせる部分」と「ルールで守る部分」を組み合わせる。このブログで何度も出てきた、フィジカルAIの安全の考え方そのものです。
なお、トヨタが説明している段階は「レベル2」を進化させたもので、運転の責任はあくまで運転する人にあります。「自動運転」と聞くと何もしなくていいように感じますが、ここは分けて覚えておきたいところです。
投資の目線でひとこと
日本の自動運転の会社では、名古屋のティアフォーが2026年7月に東京証券取引所のグロース市場に上場しました。自動運転のソフトを、だれでも使える形(オープンソース)で開発している会社です。
ただ、報道によると、上場後の株価は大きく上がったり下がったりしています。会社もまだ赤字です。自動運転は期待が大きい分、値動きも大きい分野だと思いました。
※特定の銘柄への投資を勧めるものではありません。
僕が思ったこと
調べる前は、「日本は電気自動車も自動運転も遅れている」というイメージだけを持っていました。
たしかに、数字で見ると、世界とのちがいは大きいです。EVは新車の約3%。運転手のいないタクシーも、アメリカや中国ではもう走っているのに、日本はこれからです。
でも、日本には日本の進み方があるようにも見えました。ハイブリッドで少しずつ電気に慣れていく。地方のバスのような短いルートから、レベル4を始める。タクシー会社と一緒に、ルールを守りながら進める。
2027年、東京で運転手のいないタクシーに乗れる日が来るのか。この記事も、動きがあったら更新していこうと思います。
まとめ
- 日本のEV販売は、2026年1〜6月で5万9,337台。前の年の2.1倍で、新車の約3%(過去最高)
- 世界は新車の約4台に1台がEV。日本はまだ少なく、ハイブリッドが主役
- 伸びた理由は、新しいEV(bZ4X・リーフ・Super-ONE・BYDの軽EVなど)と補助金
- 東京では、Waymo・GO・日本交通が2027年に運転手のいないタクシーを目指す。日産・Wayve・Uberも試験運行を計画
- 地方では、レベル4のバスが短い決まったルートで走り始めている。国の目標は2027年度に100か所以上
- ふだん乗る車では、日産が2027年度、トヨタが2028年ごろに、AIを使った新しい運転支援を出す予定
電気で走る車と、自分で走る車。日本では、その2つが少しずつ、同じ道を走り始めているようです。
参考資料
- 国際エネルギー機関(IEA)「Global EV Outlook 2026」
- Tiger Brokers(読売新聞の報道を紹介)「EV Sales Double in Japan in 1st Half of 2026」
- 乗りものニュース「初の中国製『軽自動車』がついに発売!BYD『ラッコ』」(2026年7月28日)
- Crypto Briefing「Waymo partners to launch Tokyo’s first autonomous robotaxi service by 2027」(2026年9月15日)
- Japanese Market Intelligence「Waymo and GO Are Bringing Driverless Taxis to Tokyo in 2027」(2026年10月7日)
- Fifth Level Consulting「Uber, Nissan and Wayve Plan Robotaxis in Tokyo for Late 2026」(2026年9月2日)
- 日産自動車「次世代プロパイロットにWayve AI Driverを採用」(2025年12月10日)
- ビジネス+IT「トヨタ、高度運転支援機能を発表」(2026年8月28日)
- 「自動運転レベル4は今どこまで来ている?全国の運行エリアと高速道路トラック実証 2026年9月版」
本記事は、筆者が調べた内容を初心者目線でまとめたものです。数字や計画は各資料の公表時点のもので、変わる場合があります。補助金の額は条件によって異なります。特定の企業や銘柄への投資を勧めるものではありません。


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